【徳島移住物語2】プレ小学校見学 南アルプス子どもの村小学校の春祭り

弓をいる少年 徳島移住物語

Moi!めぐむです。

小学校候補の1つ『南アルプス子ども村』。たまたまお友達と遊んでいたら春祭りの情報をゲットしためぐむ。

ほんとうは関係者限定のお祭りだけど、お友達のコネで来場できることになったんだ。遠くて不安な息子くんを半ば強引に誘って南アルプス子どもの村にむかったよ。

南アルプス子どもの村小学校って?

東京から約2時間。

山梨県南アルプス市の小高い丘の上にある南アルプス子どもの村小学校。

南アルプス子ども村小学校

『自由な子ども』を教育理念とする子どもの村小学校では、子どもたちの『自己決定』、『個人尊重』、『体験学習』が大事にされているんだ。

1985年に和歌山県で開設された『きのくに子どもの村学園』(小学校・中学校・高等学校)。その後、新聞やテレビでも取り上げられるようになり、福井県、山梨県、福岡県で姉妹校が新設されていったんだって。

『基礎学習』と別に『プロジェクト』と呼ばれる各活動テーマにそった授業から構成される2構成の学習形態。

『プロジェクト』と呼ばれる授業なんだけど、子どもが自ら考え活動していく自由な授業で、活き活きとした子どもたちの写真に目を奪われてしまっためぐむ。

(息子くんが1歳の頃に)数年後、幼児教室に参加しようと考えていたのをすっかり忘れてた。

楽しみにしていた『子どもの村小学校の説明会』の前に、春祭りに参加できるなんて!

思わぬ引き寄せにちょっぴり舞い上がっていたんだ。

はじめての特急あずさ 息子くんの憂鬱

立川駅から特急あずさに揺られて甲府駅でバスに乗り換える。

甲府駅からは『野牛島下』下車のバスに乗り換え、そこから歩いて15分。

なんとかなるだろうと思っていた。

電車の車内

息子くんはというと、念願のあずさなのにちょっぴり浮かない顔。知らないところへ行く不安から怯少し怯えた表情をしていた。

息子くんに良い学校をという思いの反面、胸がチクチクする。

まだ小さいから遠いと怖く感じるだろうけれど・・・知らないままみんなんと一緒に公立なんて・・・。

めぐむの息子くんへの思いが頭の中で交錯した。

正直な話、息子くんは公立小学校へのこだわりがない。というか、入ってもないからどんなところかなんて知るよしもない。

1歳〜6歳まで兄弟学級だった幼稚園。仲が良かった年上のお友達も、大半が学区内の小学校に入学していってたから、息子くんにとってそれが当たり前だと思っていたんだと思う。

幼稚園のように自分たちがやりたいことをとことんやらせてもらえはしない。ほとんど机に座って先生の言われたことをやるなんて、どうして息子くんが想像できようか。

甲府駅に着いた。

改札に出て改札窓口の駅員さんにバス停を聞いた。

改札口

ところが・・・。

『野牛島下』方面のバスは走っていないという。思わぬ展開になってきた。

隣駅からはどうかと聞いてみた。

「たぶんあるとは思うが確証はない。」

と語尾を強くして答えた駅員さん。どちらの乗り換えもグーグルでは出てくるのに。。。

駅員さんと交渉して甲府駅下車をキャンセル、竜王駅にむかった。

胸がドキドキした。

偶然 乗り合わせた子ども村の1年生と

甲府駅から竜王駅まで各駅停車で5分。

向かいの席に息子くんくらいの子どもを連れたお母さんが見えた。

(もしかして・・・。)

と内心思うめぐむ、チラチラと目が奪われてしまう。

竜王駅に着いた。

さっきの親子が立ち上がり先に降りた。

(やっぱり!)

期待にちょっぴり胸を膨らませてエスカレーターをついて上がった。

エスカレーター

改札を出たら、ちょっと違うようだったので残念に思いロータリーへ向かうめぐむと息子くん。

ここにきてまたバス停がない状態にぶつかった。

どうしよう。。。

落胆し困り果てていた時だ。

「すみません。」

先ほど一緒に乗っていたあの親子だった。

「もしかして南アルプス子どもの村に行かれるのですか?」

「そうです。」

やっぱり同じ春祭りにいく親子だったんだと喜んでいたら、在校生だった。

「実は寝坊して子ども用のスクールバスに乗り遅れたんです。親が乗るバスには乗れないので息子だけタクシーに乗せようと思っていました。もしよければ、息子と一緒にタクシーに乗っていってもらえませんか?」

有り難いことにタクシーに便乗させてもらえることになった。

最初、女の子だと思っていたその子は今年入学したばかりの男の子。人なつこいSくんはめぐむたちに学校の話をたくさん聞かせてくれた。

Sくんとの出逢いで息子くんにも笑顔が戻っていた。

タクシー

早すぎた到着 お友達と合流して

小学校に到着した。

校舎の前の扉が閉まっていたけれど、Sくんのお陰で先生とお話ができた。

受付時間よりも少し早い到着。ちょっぴり困った先生の顔に内心汗だらだらのめぐむ。早くてごめんなさいと思いつつ受付会場の体育館へむかった。

体育館へ着いた。

まだ早いのでとのことで、グランドで待っていることになった。

小高い丘からの景色を眺めて、こんなところで学べたら楽しいだろうなぁとふと思った。

息子くんは鶏に夢中。飼育されている生き物に見入っていた。

と思ったら、今度はジャングルジムで遊びはじめた。

(ほんと楽しそうだなぁ!)

ジャングルジム

子どもたちによる手作りのジャングルジム

見とれていたら着信。

やっとお友達家族と合流することができた。

南アルプス子どもの村 春祭りがはじまった

そろそろ始まる時間がきた。

体育館に入るとパイプ椅子にたくさんの保護者の方々が座っていた。

真新しい体育館。中央に出てきたのは子どもたち!?

春祭りは子どもたちが司会でスタートした。

(子どもが進行するの?)

びっくりした。

ダンスや劇といったパフォーマンスのクオリティーの高さにも驚いた。

ダンスする子どもたち

小学生でこんなに上手な劇をするなんて!?

笑いの間合いも絶妙!信じられない光景を見ているようだった。

その後、お友達と外にでた。

体育館の外壁では手作りの的当て(弓)ゲームが開催。子どもが慣れた様子で客引きをしていた。

息子くんもお兄さんに誘われるままにチャレンジした。

お兄さん、小さな息子くん限定のハンディキャップを与えてくれて丁寧にやり方を教えてくれた。

こんな気遣いが当たり前にできることにびっくりした。

弓をいる少年

「ここはみんな1年生からなの?」

的当て担当の少年に質問してみた。

「1年生からだよ。途中で入ってきたのは子はこの人くらい。」

と言って、息子くんに矢の飛ばし方を教えていたお兄さんを指さした。矢の飛ばし方を教えてくれていた子は唯一、公立小学校の体験者だった。

と言っても、南アルプス子どもの村小学校に入学して1度辞めたくなって辞めたらしい。普通の小学校に行ってみると子どもの村小学校が良かったと気づき、戻ってきたそうだ。

(子どもの村が良かったんだぁ。)

頭の中でリフレインされる。

手作りのお菓子を購入して食べながら校舎を見わたした。

目の前の校舎にタクシーに乗せてくれたSくんがいた。

南アルプス子ども村小学校

「こっちが校舎であっちが宿舎。あそこが食堂。」

構内を教えてくれるSくん。

満面の笑顔で

「来年待ってるよ!」

と息子くんに声をかけてくれた。

Sくんの言葉で顔がほころびっぱなしの息子くん。来年はここでSくんと一緒に学ぶことになるのかもしれない・・・わずかな希望を感じながら息子くんと構内に入った。

たくさんのお店 売りあるく子どもたち

最初に入ったお店は郷土料理のお店をしていた。

2人前購入して席に着いた。

教室内に授業時間と年間スケジュールが貼られている。こんな感じにプロジェクトが勧められるんだなぁ・・とついつい見入ってしまうめぐむ。

汁を飲む少年

「Tくんすみません。」

料理の接客をしている男の子に尋ねる大人の声がした。

名札からどうやら子どもの村小学校の先生のようだ。

「J(先生のあだ名)やんなに?」

対等に答える少年。

「この人はJの友達です。〇〇を食べて貰いたいけれどチケットを持っていません。Jがあとで払うのでいいですか。」

「仕方ないなぁ〜。いいよ。あとで払ってね。」

少年はそう言うとお椀に汁をよそい始めた。

この光景があまりにもショックだっためぐむ。生徒をひとりの『人』として、どこまでも丁寧に話す先生と、友達のようにフランクに返す生徒。

まるでアメリカ映画を見ているような不思議な感覚を覚えた。

春祭りでのショッピングは10円や100円のチケットを使って行われていたよ。チケットは受付をした際にジュースとともに貰えるんだ。

1階の教室をざっと見てから息子くんと2階にあがった。

クラフトクラスでは子どもたちが作った冊子が販売されていた。廊下に並ぶ味噌の壺、苗を販売する子供たちの元気な声が響きわたる。

校舎内

「すみません!これ買いませんか?」

突然、子どもたちが作った冊子を売り込みがやってきた。お友達と1冊づつ購入しためぐむ。

春祭りへの取り組みの思いや感想などをまとめた冊子が各クラスごとで作られて各クラスごとに販売されているんだと後になって分かった。

お弁当を手に 食堂でのひととき

春祭りでは、13時すぎから学園長による講演も行われる予定だ。

子どもの村の学校を知りたいお友達とめぐむ。もちろん参加するつもりで来ていた。

間に合うように食堂でお弁当を食べるめぐむたち。

広い食堂内で子どもたちは食後に活き活きと走りまわっていた。

食堂は春祭りでお休み。明かりに照らしだされたキッチンから、(社食のように)並んで給食を受け取る風景が浮かんできた。

お弁当を食べていたらスタッフと相談をしている親御さんが見えた。どうやらアレルギーについての相談をしているようだ。親身になって相談にのってくれる繋がりにジンときためぐむ。

子どもの村小学校にさらに惹かれた。

食堂ではSくんのお母さんにお会いできた。あらためてお礼を伝えて雑談を交わした。

Sくんが遅れた理由、実はいま休学中で春祭りのために久しぶりに登校してきたと教えてくれた。休学の理由は親元を離れての寄宿暮らしが耐えられなくなってということらしい。

(やっぱり、幼稚園をでたばかりの子どもにとっては辛すぎるよね。)

子どもの村を選んだとしても、息子くんだけ寄宿舎なんてめぐむにはできるはずもない。

当然、引っ越しありきになるだろう。

めぐむは家族でともに育ち合いたいから・・・。

寄宿暮らしの悩みも子どもの村小学校は親身になって一緒に考えてくれるそうだ。さらに、無理強いはさせないで、待ってくださるそうだ。

子どもは絶対に大丈夫!信頼からその子その子のタイミングを待つ。

子どもの村の子どもへの寄り添うスタイルに惹かれるめぐむ。

Sさんと連絡先を交わして別れたあと、のんびりとあたりを見渡していたら、ふと給食の看板に目がとまった。

『今日のメニュー』

と書かれた看板には、前日のメニューが残っていた。

メニューにはおやつも載っていた。

ところが・・・。

おやつに心が釘づけにされてしまっためぐむ。

『う◯◯◯』

市販のスナック菓子がおやつなんて!

とても素晴らしい魅力ばかりを目にしていた矢先、1つだけ不安材料が飛び込んできた。

(そういえば受付時にいただいたジュースも・・・。)

「そろそろ講演時間だから体育館へ移動しない?」

お友達に誘われてとりあえず体育館へ向かうことにした。

学園長の講演 教育史と子どもの村学園の歴史

体育館

体育館についた。

すでに真剣な表情をしたお母さんたちで席はほとんどあいていなかった。

堀学園長が現れ講演がはじまった。

小さいくぐもるような声で正直聞きづらく感じた。が、必死に聞いた。

『ニイル』や『デューイ』の教育史についてと、子どもの村学園の歴史についてプロジェクターに合わせて話す学園長。

子どもたちが造ったジャンボすべり台の写真が目に焼きつた。

長さが25mもあるすべり台は傾斜角が35度の斜面に造られたそうだ。すべり台を造った斜面の傾斜角から子どもたちは直角三角形の三平方の定理につながる学びを得たという話に興奮した。

(子どもたちが作っただけでもすごいのに、図形の問題につながるなんて・・・。)

『勉強』ではない『学び』の世界がそこにあった。

南アルプス子どもの村小学校 春祭りでの収穫

春祭りが終わった。

どうやって帰ろうかと悩みながら門に向かうめぐむ。偶然Sくんのお母さんとバッタリ合ったので、バス停を聞いてみた。

「一緒にバスに乗ったらいいですよ!」

Sくんのお母さんのお陰で子どもの村のご家族が乗るスクールバスに乗せてもらえることになった。

ワイワイ騒がしいバス内に喜ぶ息子くん。

数人のお母さんにも声をかけていただけて子どもの村のことがさらに分かった。

実はめぐむの家のご近所さんもかなり通っているということ。お休みで寄宿舎から帰省する際に、低学年の頃は電車で山梨まで送迎しなければならず、けっこう大変な思いをしたということ。

(そっかぁ。)

(見えない部分の苦労もかなりあるんだなぁ・・。)

Sくんのお母さんと出逢えたお陰でリアルな声がたくさん聞けて、収穫の多い春祭りになった。

電車にゆられて

帰りの電車に乗った。

さすがに息子くんは疲れて寝てしまった。

眠る少年

購入した子どもたちの手作り冊子に目を通すめぐむ。子どもたちのありのままの様子が鮮やかな色をおびてめぐむの中に飛び込んでくる。

『(プロジェクト中に)遊んでいたら「ちゃんとやりなさい!」とグループの子に叱られた。』

『うまくできなくて、とっても苦しかった。でも頑張ってやり遂げることができた。』

1年生から6年生まで年齢によって表現の差が感じられる文章が、ひとりひとり刻まれていた。

手作りの冊子から、子どもたちが子ども同士で注意をしあったり協力しあったりして、プロジェクトが進められていくと知ることができた。

先生が間にはいることなく、子どもたちのサポーターとして影になり手を広げて見守る子どもの村小学校。理想的な小学校に思える。

反面、食についての疑問が残る。

(おやつにアレは・・・。)

自然派の親ならあり得ない某スナック菓子。

さらに学費の問題と移住問題。

通っているお母さんの話では1人に約100万円かかっているらしい。寮代を入れるとさらに・・・。

中には4人通わしている家庭もあるらしいから、裕福なお宅の学校のようにも感じられる。

また、倍率も高いらしいから、お金の前に倍率で入れるのか悩ましい。

南アルプス子どもの村への思いが交錯するめぐむを乗せた電車は、そろそろ立川駅に着こうとしていた。